この記事は、以下のような人にオススメです。
こんにちは!Webディレクターのオスカーです。
「Edge(エッジ) SEO」という言葉をご存知でしょうか?
「Microsoft Edge向けのSEO」、「Bing向けのSEO」という意味ではないです。
「Edge SEO」を日本のGoogleで検索しても、「BingのSEO対策」ばかり表示されて、「Edge SEO」のことをちゃんと説明しているサイトは見つかりませんでした。
和訳がわかりませんので、「Edge SEO」のまま話進めます。
この記事は「Edge SEO」の紹介だけでなく、「Edge SEO」を実現するためのツールも紹介します。
ぜひ、最後までご覧いただけますと幸いです。
Webディレクターはともかく、SEO技術者たちなら誰しも経験したことがあることで、
「SEOの問題見つかりました。急いて解決してほしい」と叫んでも、開発チームは「こっちは優先度が高いタスクがいくつもあります。相手にする余裕はねぇよ」と門前払いを食らう。
こっちの作業は微調整という程度で、おそらく10分かからないにも関わらず、他のタスクが優先されることもよくある話です。
もちろん、ディレクターとしては、SEOの重要性をしっかりと伝えないといけないと思いますが、今回は開発者を介さず一時的・急ぎサイトを反映するアプローチとツールをお話いたします。
そのアプローチこそが「Edge SEO」です。
「Edge SEO」とはつまり、開発チームに頼らず、SEO技術者として、サイトにより迅速にSEO内容を反映するやり方です。
「Edge」の部分は「Edge computing(エッジコンピューティング)」から引き継いだもので、「Edge SEO」は「Edge computing」と同じ、ウェブソースやインフラの変更をせずに、アップデートを反映していますので、「Edge SEO」という名が付きました。
「Edge SEO」を通して、SEO技術者(またはご自身)の意思で、いつでもすぐにかつ簡単に「臨時対応」を反映することができます。そして、サイトへの反映が迅速に行われることによって、SEOへの結果もより早くはゲットできます!
以下の場合には「Edge SEO」を強くお勧めします。
- 「Edge computing」を使用しているサイト
- 柔軟性が低いサイト、またはコンテンツ管理システム (CMS) を利用していないサイト
- 一時的なページの変更をしたい場合(例えば、セール期間中だけ別のMETAデータを表示したいなど)
- 開発リソースが制限されている、または対応の待ち時間が長いプロジェクト
いかがでしょうか?興味を持ち始めましたでしょうか?
次に、「Edge computing」の基礎知識をもう少しお話しします。「Edge computing」とは
「Edge computing」とは、リクエストからレスポンスが戻ってくるまでの遅延を減少させるデータ処理方法であります。
例えば、大阪に用事があり、東京から新幹線で出発して、大阪までには3時間かかるとします。そして、戻るのにも3時間かかります。移動するのに6時間がかかりました。
もし、その用事は大阪に行かなくてもよく、静岡まで来てくださいと言われた場合、行きは1時間になり、戻りも1時間になって、移動時間は2時間になります。
さて、用事ではなく、サーバ間の通信に置き換えてみましょう。
ウェブサーバを大阪に設置しています。東京からアクセスするには、大阪と通信しないといけません。その場合、仮にファイルや連携が複数あって、REQUESTからサイトが反応するまで3秒かかるとします。それはウェブサイトとしては望ましい速さには到達していません。改善方法として、静岡にサーバを追加して、諸々処理自体を静岡のサーバで対応できるようにすることで、1秒以下に改善しました。これが「Edge computing」のアプローチです。
「それって、CDNと同じではないか?」という声があるかもしれません。
CDNとEdge computingの仕組みは似ていますが、相違点はいくつあります。
今回のテーマとは関係がありませんので、またの機会に話したいと思います。これはアフィリエイトです
「Edge SEO」の方法について
では、「Edge SEO」の話に戻りますが、「Edge SEO」は「Edge computing」と同じ、SEO関連のページ更新をサーバ上のソース変更することなく、1つ上のレイヤーで実施する「方法」のことを指します。
その「方法」は1つだけではありません。アプローチは人それぞれです。1つの例としては、「Cloudflare Workers」があります。
Cloudflare Workersもソースコード変更なしに、一部のサイトコードをキャッシュされたバージョンに展開可能となっています。
ただし、このツールを使うにはまずこのツールが実行できるCDNが必要です。
さらには、システムが使用している言語でのコーディングスキルが必要な場合もあります。
Cloudflare Workersの場合、JavaScript と TypeScript を知っているのが前提です。
最近では、サイト構築もコードレスでできてしまうぐらい、SEO技術者含め、ウェブ担当者がコーディングスキルをお持ちでないケースも多く、その場合、Cloudflare Workersはどうやらハードルが高いようです。
こういった状況を踏まえて、今回は「PageImprove」というツールを紹介したいと思います。
PageImproveはブラウザーの拡張機能で、Javascriptを実装すれば、あとはエディターを使えば、リアルタイムで簡単にオンページSEO更新を行うことができます。
これでこんなことできちゃいます。
エディター自体はわかりやすく、英語でも使いやすいです。
実際の画面:
ハードルが低く、ツール自体は無料という点もGoodです。
早速PageImproveを始めてみましょう。
まずは、拡張機能をインストールします。
Chromeウェブストア:PageImprove
インストールしたら、拡張機能機能リストに確認できます。
自分のサイトに移動して、拡張機能を付けると、以下のように表示されます。
PageImproveはSEMRUSHが開発したもので、ログインが必要です。
アカウントがなければ、無料で登録できます。
ログインしたら、このような画面になります。
タイトルやMETA内容を変更すると、「Pages to publish」のボタンに数字が付きます。
いざ、publishしますが、publishするためには、JSを実装する必要があります。
上の図「code snippet」をクリックすると、コードがありますので、サイトのheadに入れる必要がありますが、すでにGTMを入れている場合、GTMから実装できます。
(ちなみに、公式では直接にソースコードに反映することを推奨しています。更新が反映されることが早くなるとのことです。)
GTMの設置に入ります。「タグ」⇒新規追加します。
「タグの設定」はカスタムHTMLを選択。
「code snippet」にあったコードをコピペ、「トリガー」はALL PAGEで問題内です。
あとは公開して、準備完了!
ボタンがクリックできるようになりました!
コメント入れて「publish」公開します。
公開して反映するまで時間がかかりますので、待っている間に履歴を見てみましょう。
公開の隣にある「history」クリックします。
下記のように、履歴が表示されます。
コメント、変更したURL、変更した箇所、公開時間全部確認できます。
今回変更したのがタイトルで、1~2分で公開されました。
さて、戻す方法もやってみましょう。
これは簡単で、先ほどの履歴から、戻したい記録を「✓」を入れて、「Reset selected URLs」をクリックします。
戻すのは公開よりだいぶ早くて、すぐ反映されました。
以上PageImproveを紹介しました。改めて、「Edge SEO」のメリットと注意点を確認しましょう。
「Edge SEO」を導入することで、
メリットがあれば、注意点もあります。
もちろんです。Edge SEOで実施された更新は、Google にインデックスにされ、ユーザたちもその変更を確認できます。
サーチコンソールは定期的にページを再インデックスしますが、更新された内容を早く反映させたい場合は、サーチコンソールで再インデックスリクエストしましょう
サイトを立ち上げたら、機能、コンテンツはどんどん増えてきて、サイトが大きくなっていきます。
機能と機能の兼ね合いによって、より複雑になっていて、そこからSEOの実施もどんどん難しくなる傾向があります。
Edge SEOを通して、SEO戦略を回し、新しいことをテストしたり、緊急時にはページを更新できるようになります。
SEOの実施においてはスピードが重要です。Edge SEOが役立てればいいと思います。
今日も読んでいただきありがとうございます。
少しでも役に立てれば幸いです。
それでは。