Gmail:2024年2月までに対応が必要な「逆引き」の設定について|Googleの「メール送信者のガイドライン」より
 
POINT

この記事は、以下のような人にオススメです。

  • 「メール送信者のガイドライン」を見て、わけわからない人、
  • 定期的に多人数へ配信を実施している人、
  • 逆引きの設定がわからない人など...
オスカーの似顔絵

こんにちは!Webディレクターのオスカーです。

今回はGA4でも、SEOの話でもない。メールの逆引きレコードの話です。
ディレクションの業務でDNSの設定なども依頼されることがあります。

DNSの話もそこそこ理解しているつもりでしたが、
今回の逆引き設定の件は今までの知識の中にはなくて、
すごく勉強になったので、学習帳にまとめることにしました。

これはGoogleが、2024年2月以降、Gmail受信に関する情報ですので、
メルマガを大量配信するECサイトから、お問合せメールを配信しているコーポレートサイトも対象になりますので、2月までに対応しておくことをお勧めします。

ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。

 

メール送信者のガイドライン

ことの発端は2023年10月にGoogleからの記事でした。

メール送信者のガイドライン

要約すると、
2024 年 2 月以降、しかるべき対応をしていない場合、メールがGmailユーザーに届かない場合がありますよ。
ということです。

メルマガを配信しているサイトにとってはすごく重要な設定になります。

要注意するのは、このガイドラインは、
1日あたり 5,000 件以上のメールを送信する「大量配信者」だけでなく、
上記を該当しない「すべての送信者」向けのガイドラインも含まれています。

つまり、「うちのサイトはそんなに会員数がないから、うち関係ないじゃん」にはなりませんので、ご注意ください。

対応内容について

ざっくり表にまとめるとこんな感じ。

1日あたり5,000件以下送信する場合(すべての送信者) 1日あたり5,000件以上送信する場合(大量送信者)
ドメインに SPF または DKIM メール認証を設定 ドメインに SPF または DKIM メール認証を設定
送信元のドメインまたは IP に、有効な正引きおよび逆引きDNSレコード(PTR レコード)を設定 送信元のドメインまたは IP に、有効な正引きおよび逆引きDNSレコード(PTR レコード)を設定
メールの送信に TLS 接続を使用 メールの送信に TLS 接続を使用
迷惑メール率を 0.30% 未満に維持 迷惑メール率を 0.30% 未満に維持

メール形式をInternet Message Format 標準(RFC 5322)に準拠

メール形式をInternet Message Format 標準(RFC 5322)に準拠

FromヘッダーにGmailのなりすましはしない FromヘッダーにGmailのなりすましはしない
メールを定期的に転送する場合、送信メールにARC ヘッダーとList-idヘッダーを追加 メールを定期的に転送する場合、送信メールにARC ヘッダーとList-idヘッダーを追加
  送信ドメインにDMARC メール認証を設定
  送信者の Fromヘッダー内のドメインが、SPFドメインまたはDKIM ドメインと一致
  ワンクリックでの登録解除に対応

5000人に配信していない場合は、左の対応に集中しましょう。
そして3点目以降は当たり前のことなので、実際対応が必要なのはSPFレコードと2点目の逆引きです。

SPFに関しては、使用しているメールボックスのFAQ調べれば大体入っています。

問題なのは逆引きです。
そんなに聞いたことのない言葉です。

逆引きとは

逆引きを理解する前に、まずは正引きを理解ししょう。

「https://oscarchair.jp」を入力すれば、サイトにたどり着きます。
それはDNSが、ドメインの「oscarchair.jp」をIPアドレスに転換して、IPアドレスで内容を表示しています。
「ドメイン」→「IPアドレス」に転換するプロセスが「正引き」です。

逆に「IPアドレス」→「ドメイン」に転換することが「逆引き」です。

自分のウェブサイトをnslookupをすることで、IPアドレスを取得することができます。
こちらの無料ツールで試してみてください:NSLOOKUP

ドメインを入力して、IPアドレスを取得します。(正引き)
ゲットしたIPアドレスをアドレスバーに入れれば、サイトが開くと思います。(逆引き)
ただし、IPでアクセスできないウェブサイトもありますので、その場合でも404ではなく、403(アクセス禁止)になります。

「???」

IPアドレスをアドレスバーに入れて、サイトが開きました。
ってことは逆引き対応している?
ところでそうではないです。

ウェブサイトのIPはメール送信元のIPとは違う

ドメインから取得できるIPアドレスはDNSで登録されているウェブサイトのIPアドレスです。
ガイドに記載されているように、設定が必要なのは「ウェブサイトのIP」ではなく、「送信元のIP」です。

例えば、「oscarchair.jp」はlolipopのメールサービスを使っているので、送信元はlolipopになります。
そういうサービスでなくても、メールサーバのドメインは通常ウェブサイトのドメインは違います。
よくあるのは「example.com」のメールサーバは「mail.example.com」だったりします。

逆引きの設定するにあたり、このドメインとIPアドレスが必要です。
さて、問題はどうすればメール送信元のドメインとIPアドレスがわかるかということです。

オススメする方法Gmailです。

メール送信元のドメインとIPの確認方法

  1. まずは、サイトが使っているサービスでメールを作って、ご自身のGmailに送ります。
     
  2. 続いて、Gmailで該当メールを開きます。
     
  3. 返信ボタンの右に詳細メニューを開くボタンがありますので、そこをクリックして、
    さらに「メッセージのソースを表示」をクリックします。

     
  4. するとこんな画面が表示されます。

    ※ちなみに、SPFの設定が成功した場合、件名の下にSPF:PASSが表示されます。
     
  5. この画面で「Received」を検索してみてください。
    下から上まで、送信から受信するまで経由したサーバが表示されます。
    一番下では、ローカルのIPもあったりしますが、途中からグローバルIPになります。
    下から最初のグローバルIPが送信元IP、そしてその左に書いているのは送信元のホスト名です。

このサイトはLolipopのメールサーバーを使用しているので、Lolipopのメールサーバが表示されます。

今回「逆引き」対応が必要なのはこの送信元のホスト名とIPアドレスです。

「逆引き」が対応されているかの確認

「逆引き」はDNSの中にPTRレコードを入れることで解決します。

「逆引き」が対応されているかを確認するために、今回はGoogle 管理者ツールボックスを使います。
このツールでPTRのレコードを確認することができます。

注意点として、ホスト名を入れるのではなく、IPアドレスを入れて確認してください。
Lolipopのメールツールは逆引きを対応しています。
その場合、以下のような結果が表示されます。

失敗する場合、「Record not found!」が表示されます。

結果が表示された場合、逆引き(PTRレコード)が登録されているということなので、対応は不要です。

対応が必要な場合

まずは逆引き対応してくれるかを確認しましょう。
実際対応しないDNSが多いです。
把握している情報ではonamaexserverも対応していないです。
まぁ、だから安いですね。

自分のonamaeを使っていますが、lolipopのメールサービスが対応してくれていますのでセーフです。

対応してくれるサービスがあれば、PTRレコードを準備します。
簡単です。IPを反転して、メールホストを入れるだけです。

例えば上記のLOLIPOPを例とすると、
ホスト名:mail-gw002.lolipop.jp
IPアドレス:157.7.106.211

PTRレコードはこのようになります。
211.106.7.157.in-addr.arpa IN PTR mail-gw002.lolipop.jp

”in-addr.arpa”はIPv4の時に使います。
IPv6の場合は”.ip6.arpa”を使います。

設定完了後は改めてGoogle 管理者ツールボックスとGmailで再確認しましょう!

おわりに

今日は「メール送信者のガイドライン」を少し触れて、逆引きの設定を説明しました。
来年2月開始ですので、年明けて残り時間は1ヶ月しかありません。
急ぎ対応しましょう!

今日も見ていただきありがとうございました。
少しでも役に立てれば幸いです。

また、年末ということで、今年もありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。

それでは。

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