この記事は、以下のような人にオススメです。
- GA4を使用しているマーケッター、ウェブディレクター
- BigQueryを利用できない企業の担当者
- 長期間でイベントトラッキングしたい人
- データ保持期間の制限に悩んでいる人など…
こんにちは!Webディレクターのオスカーです。
GA4(Google Analytics 4)を使用しているマーケッターやウェブディレクターにとって、
特定のイベントが発生した回数を長期間にわたってモニタリングすることは重要です。
しかし、GA4の探索レポートにはデータ保持期間が14ヶ月という制限があります。
この制限を克服するための具体的な方法を解説します。
予算制約からBigQueryを使用できない場合でも実行可能な解決策をご説明します!
ぜひ、最後でご覧いただけますと幸いです。
「探索」機能で再現
やりたいことを理解するため、まず「探索」機能で再現します。
今回は、「ランディングページごとに、オーガニックからのお問合せの回数を確認する」レポートを作成したいと思います。
ECサイトでもよく調べるパターンですので、これにします。
探索レポートの作成方法は割愛します。(ポチポチ…)
はい!できました。
「ランディングページ」、「メディア」、「イベント名」のディメンションを入れて、
さらに「イベント名="contact"」、「セッションのメディア="organic"」というフィルタをかけると、
上記の結果になります。
※事前にお問合せに対し、"contact"というイベントを発火させています。
これはこれで問題ないですね。
ただ、冒頭話した通り、無償GA4の場合、「探索」は保持期間という制限があります。
14ヶ月も前にあったイベント回数を集計することはできません。
「レポート」機能で再現してみた
「探索」機能は14ヶ月の制限があるなら、「レポート」機能はできないでしょうか?
方法その1:
「レポート」→「トラフィック獲得」レポートを見てみましょう。
セカンダリディメンションに「イベント名」を探してみましたが、出てきません。
「イベント」関連内容は、「セカンダリディメンション」には選択できないのです。
方法その2:
「レポート」→「イベント」レポートはどうでしょうか?
元々プライマリディメンションにあるのだから、できるでは?
フムフム、確かにメディアを入れるまではうまくいきましたね…
いやいや、「ランディングページごとに」の部分ができないのではないか!
方法その3:
「レポート」→「ランディング ページ」レポートも観てみましょう。
セカンダリディメンションに「セッションのメディア」に設定すると…
イベント数をどうする?
"contact"イベントを取得しているから、カスタムはできないでしょうか?
では、編集してみよう~
指標を指定する…イベント数
おぉーイベント数があった!
早速適用してみました。
??この数字…なるほど!contactのイベントに絞っていないからだ!
としたらさらに絞るために、「探索」みたいにフィルタをかければ…
ところが、残念ながら、レポートにある「比較」機能も「フィルタ」機能も、
絞れるのは「ディメンション」だけで、「イベント」を絞る条件にすることはできません。
よく考えたら、そもそも「ランディングページ」、「オーガニック」、「イベント名」だと、条件が3つで、
レポートに設定できるディメンションは2つまでなので、できないのではないか?
そうしたら、やはり「探索」を利用して、保持期間を許容するしかない…
ここであきらめて、クライアントさんに「GA4の仕様です」と報告する方が多いではないでしょうか?
ところで、GA4には「カスタム指標」という機能があります。
「カスタム指標」とは
カスタム指標を使用することで、特定のイベントが発生した回数を「指標」として保存することできます。
「指標」で保存することで、「イベント」の数値ではなくなり、14ヶ月の制限を突破することができて、長期間でモニタリングすることができるようになります。
「カスタム指標」を使う場面
「カスタムディメンション」はよく使われているが、「カスタム指標」については、機能としては知っているが、
使ったことがないし、使う理由がそもそもわからないという方が多いではないでしょうか?
確かに指標となるデータはGA4上ほとんど網羅できています。
「カスタム指標」を使う場面は以下のような例があります。
- 複数のサービスがあり、売上金額と混在しないように、別で計算したい
- 「滞在時間」と別で、サイトにアクセスしてから、「送客」するまでの時間を取得したい(※公共の総合サイトによくある)
- 今回のように、特定イベントの回数をカウントしたい
などがあります。
では早速設定方法をお話ししましょう!
「カスタム指標」の設定方法
カスタム指標を使用することで、特定のイベントが発生した回数をモニタリングすることができます。
以下の手順で設定を行います。
-
GTMに設定したイベントにパラメータを設定
※イベントはすでに設定されている前提ですので、イベントの設定方法が割愛します。イベント設定画面で、「イベント パラメータ」を展開して、以下を設定します。
パラメータ名:contact_count ※パラメータ名は固定ではないですが、記載したパラメータ名は必ずメモしてください
-
GA4にカスタム指標を設定
「管理」→「カスタム定義」へ移動して、上記の画面が表示されます。
最初は「カスタムディメンション」が表示されますので、「カスタム指標」のタブをクリックして、右にある「カスタム指標を作成」のボタンをクリックします。以下を設定します。
指標名:任意文字 ※レポートに表示されます。
範囲:イベント(固定です)
説明:空欄でもOK
イベントパラメータ:先ほど設定したパラメータ名 ※絶対一致にしてください
測定単位:標準 ※今回は1回ずつカウントするだけですので、標準でOK
忘れずに、保存しましょう。
テストを実施
上記の設定が完了すれば、データは蓄積し始めます。
あと2~3日経てばデータが入ってくるでしょう。
一応テストします。
GTMプレビューモードで発火検証:
DebugViewでデータ到達検証:
問題なさそうです。
レポートのカスタマイズ(後日更新)
(データが反映するまで時間がかかりますので、後日更新します。)
手順書まとめ
ここまでの手順をまとめます。
つまり、以下になります。
- GTMでイベントを作成
- イベントにカウントするためのパラメータを設定
- GA4の管理画面でカスタム指標を作成
- 検証テストを実施
- (データの収集が始まったら、探索レポートを作成してデータを確認)
- レポートをカスタマイズ
おわりに
イベントの発生回数を「カスタム指標」機能を通して、14ヶ月の保持制限から解放する方法を説明しました。
今回は「お問合せ回数」を例として挙げましたが、もちろん「購入回数」、「閲覧回数」なども同じことができます。
この記事で紹介した方法を実践することで、GA4の14ヶ月のデータ保持期間を超えて、特定のイベントが発生した回数をモニタリングすることができます。GA4の有償化やBigQuery利用を避け、予算の制約がある場合でも、この方法を活用して、長期間にわたってデータを効果的に分析し、マーケティング戦略を最適化しましょう。
今日も見ていただきありがとうございました。
少しでも役に立てれば幸いです。
それでは。
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